川瀬浩介|生きる。

或るロマンティストの営み

【ようこそ! 真新しい自分へ】

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2018年7月28日

昨夜に続いて、今夜もスパイラルホールへ。嵐が過ぎたあとの東京の夜空には、満月が浮かんでいた。

Ryoji Ikeda《C4l》──この作品も昨夜の《formula》と同様に、12年ぶりに観ることになった。

当時よりも様々な経験値があがったためか、感じるものがより多かった気がする。


What is Love? Never ask.

What is Peace? Never answered.


作品中に提示されるこのテキスト──膨大な情報量のある氏の作品から一部を引用することほど野暮なことはないが、12年前もやはりこのテキストの印象が強く残った記憶が、今回の鑑賞から呼び覚まされた。

今夜も2度続けての鑑賞──再び、とてもいい夜だった。

帰り道、ぼんやりと思い返すと、氏の作品を追い始めてから、もう20年以上の時間が経過していたことに気づいた。車を走らせながら自分のその執拗ぶりに思わず苦笑したが、真夜中の景色を見渡すと、慣れ親しんだ街並みもすっかり変わっていることを改めて知らされた。

そんなひとりの時間、最後に問うのは、自分自身の「今」についてだ。


──成長できたのか?──


駆け出してから二十余年──持てる力をすべて出し切っても、ぼくは未だここにいる。

わが「果たすべき約束」に向けては、今日も大きな成果は得られなかった。それでも、日課にしているエレクトリックギターの練習では、この一ト月ほどの間に、大きな前進を続けている感触が絶えずある。


──難しいフレーズが弾けるようになった──


それが手応えというわけではもちろんない。その成長は、側からみれば、何の変化もないように映るだろう。けれど、明らかに大きく前進している。


──理想のトーン──


押弦、ピッキング、タッチ、チョーキング、アーミング、ギターからアンプへのボリュームの入れ具合…演奏中、手先でコントロールできるそのすべてのパラメータを操り放つ「ぼくの音色」──ギターを手にとってから30年ほど経つが、ようやく理想のトーンが奏でられてきた。


──ギターミュージック──


ロックやメタル、ジャズ、ブルーズという枠にとらわれず、ギターである情景を奏でる音楽を綴りたい。


──次に目覚めたら、もうぼくは、真新しい自分──


青き時代から思い描いた景色を、いつかきっと。


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