川瀬浩介|生きる。

或るロマンティストの営み

【東京の真夜中の嗜み──Ryoji Ikeda concert pieces】

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2018年7月27日

東京は、25時──。

真夜中である。雨が近づいているせいか、とても涼しくて静かな夜──。そんな夜に、ぼくはひとり車を飛ばして、ご縁あるあの場所へ向かった。


──Ryoji Ikeda concert pieces──


初演から、全国各地で何度も見届けてきた作品〈formula〉を再び楽しみに出かけた。2006年、名古屋で観たのが恐らく最後だった気がする。


──昔みた映画を眺めているよう──


当時の自分のことや世界のことなど、いろんな記憶が呼び覚まされてきた。そして、複雑に絡み合うポリリズミックなビートを感じて、深く深く、ただひたすらに、その情景に酔いしれていた。

閃光と轟音に抱かれたその空間は、我が聖地=SPIRALホール。氏がその歴史を育んでこられた場所としても知られている。

ぼくにとっても、デビューのきっかけを与えていただいた場でもあり、森山開次×ひびのこづえ×川瀬浩介《LIVE BONE》劇場版を初演した地でもあり、とても所縁がある。

最初に門を叩いたのは、もう20年も前のことだ。


──あのとき何を願っていたのか?──


それは忘れるはずもなかった。


相変わらず、氏の上演ともなれば2回続けて観たくなってしまう質は今も変わっていなかった。チケットはもちろん前売で手に入れてはいたが、今夜の入場の際、新たにもう1枚、当日券を求めた。


──1度目は最後列、2度目は最前列──


時間が許すならもう一度、中央でも味わいたかった。

しかし、夜が明ける前に帰って、しっかり休息を取りたい。


──ぼくにも、果たすべき約束があるから──


キャリアの初めごろは、こうした音楽を追求していた時代もあった。それが今では、その当時育んだノウハウを、まったく異なる表情で表現している。


──これがぼくの仕事──


今はそう確信している。それは今ではもう、ぼくにしかできないことになったのだから。

さて、明日も明後日も2公演ずつ楽しみにいく。それ以外の時間は、自分の歌の録音を全力で──。

いい作品に仕上げたい。世代性別地域国籍問わず、みんなが楽しめるような作品になるように。

さあ眠ろう。


十分な休息を取ること──。

今では、それがかなり重要な仕事のひとつになっている。


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