川瀬浩介|生きる。

或るロマンティストの営み

【目がくらむ】

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2018年8月1日

まるでアスリートのようだ。

限界まで歌うことに挑戦する──すると、もはや起きていることさえ難しくなり、そのまま眠りに就く。

数時間経過して目覚めると、近頃の筋トレの効果か? それとも、歌うこともトレーニングになっているのか? 全身の筋肉に心地よい張りを感じる。

食事は作り置いたおかずがある。外に出ることは一切ない。昼夜問わず、喉の調子が比較的いい時間帯に録音を敢行。暑さと、無理なハイトーンを多重録音するため連続して歌っていることもあり、時おり酸欠に気味になっているのか、視界が白む瞬間がある。

いつか母を入浴させていたとき、うっかりタイマーを掛け忘れていつもよりほんの僅か長く湯船に浸からせてしまったことがあった。慌てて浴槽から引き上げると、案の定、血の気が引けて、母は気を失いかけた。一大事にならなくてよかったが、人が脱力する瞬間の怖さを、あのとき改めて感じた。


──今、この家にぼくはひとり──


果たすべき約束を守るため、無理はしてはならない。だがしかし、その約束のために、全力を投じたい。持てる力のすべてを捧げて。


さて、今日の録音は比較的順調に進み、そろそろゴールが見えてきた。次の曲は、これよりもたくさん声を重ねることになりそうだ。トラックが増えていくので、ミキシングも一苦労。無論、それが録音の醍醐味なのだけれど。

この次のプロジェクトでも歌うことになったら、酸素缶を予め用意しておくことにしよう。


──己の身は、己で守る──



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